『フラガール』
2006 / 10 / 31 ( Tue ) ![]() フラガールを観て来ました。 わたしが小学6年生の頃、 松雪さんは保阪さんと一緒にドラマに出てらっしゃいました。 そのドラマはコメディで、 やたら互いに怒鳴りあう威勢のいいやつでした。 わたしは、松雪さんの怒鳴る姿がだいすきです。 すぱーっと腹の底から怒鳴る。 あんなに華奢なのに、でっかい響く声で。 フラガールでの松雪さんは、 怒鳴る、怒鳴る、笑う、泣くでした。 男湯に怒鳴り込むというか 殴りこみに行くシーンの松雪さんは、 それだけで涙がこぼれた。 ほんとうに美しくって、 ’70年代ファッションがとってもよくにあってました。 映画は、もう、言うことなしにおもしろくって、 洟すすりっぱなしでした。ずっと、ずーっと。 松雪さんのしなやかなフラにも 感動したけれど、 蒼井優ちゃんの凛々しさにも 舌をまくばかり。 彼女はどうして、こんなにもぴかぴかしてるんだろか。 ![]() 岸辺一徳さんが、 福島なまりでがなりたてるのもすごくよかった。 途中、自己破産したのはこの人だっけ?と、 どうでもいい芸能情報が 頭をよぎったけれども、 それは、シローの方だってさ(笑) 南海キャンディースのしずちゃんも すばらしかった。 最初はオチの担当ばっかりだったけれど、 しまいには、ちゃんと女優だった。 しずちゃんの嗚咽するシーンは、 わたしも涙が止まらなかったもの。 蒼井優ちゃんとトヨエツの母役の方も 素敵でした。 煤けた炭鉱婦人を演じているのだけれど、 とにかく美しくって、眩かった。 美しさって、やはり内面からにじみ出るものなのだなーと 涙をだーっと流しながらスクリーンを見つめてました、わたし。 閉山に向かっている炭鉱の街は、 予想以上に寂しい街だった。 哀しい街だった。 昭和40年代って、わたしが生まれる、 ほんの一世代前なだけなのに。 貧しいってことに、驚かされた。 炭鉱の街には、 心寂しさがついてまわる。 軍艦島の華やかさも それはもう、彼方の出来事だからか、寂しい。 きちんと観ていない作品と比較するのはよくない、と 解っているけど、 わたしは『ALWAYS 三丁目の夕日』よりもよかったと思っています。 予告で観たけれど、ALWAYSはCGが多分に使われてるなーというのが、 素人目にもわかってしまうから、がっかりなのです。 再現できてたとしても、そこに現代の匂いがにじみ出ちゃうと、 もう、見てる側は冷めちゃうのだから。 その点、フラガールの街は、すごかった。 走るバスも 炭鉱夫の乗るトロッコも 女子高生の乗る自転車も 家のふすまも 洗濯板も 全部本物だった。 たとえ、CGだったとしたとしても、 見てる側はそう感じなかったもの。 俯瞰でみた炭鉱山は模型かな?と思ったけれど、 それ以外は見事! 物語にのめりこめました。 いい映画で、頭ぼぅっとしちゃった。 わたしに、この映画を最初に教えてくれた人は、 福島出身の人で、 この映画をみたら彼女のことを思い出してた。 その人には、今、大きな転機が訪れていて、 個人的なことだから、わたしには何にもできないのは、わかってる。 わかってるけれど、偉そうにも「大丈夫だよ」って言ってあげたいなと 思ってしまったのでした。 ![]() |
『盾 -SHIELD- 』 * 村上 龍
2006 / 10 / 30 ( Mon ) |
![]() | シールド(盾) 村上 龍 (2006/03/24) 幻冬舎 この商品の詳細を見る |
久しぶりの村上作品。
コジマとキジマというふたりの男の子が
それぞれの人生における盾とは何かを探す物語。
御伽噺ってかならず教訓が隠れてる、
この話もそうで
現代版の御伽噺と言っていい作品。
小さい頃、
コジマは優等生。
キジマは落ちこぼれ。
高校時代以降、
コジマは落ちこぼれ。
キジマはめきめき上昇中。
社会人、
コジマは定職なく、引きこもり中。
キジマは大手自動車メーカー勤務中。
で、自動車の時代が終わりを告げて・・・。
なんていうふうに、
ありそうな話が具体的に進む。
子供時代、
対照的な二人はそれぞれ悩みを持っていて、
優等生コジマは
自分が優等生を演じていることが悪いことではないかと悩み、
落ちこぼれキジマは
自分がひねくれもので協調性がないことが悪いことではないかと悩む。
そんな時、
名なしの老人が
「どちらも悪いことではない」と諭す。
この名なしの老人が言うのが、
「盾を持て!」ということ。
物語の終わりはとてもよく締めくくられていて、
わたしはとても満足してしまった。
さすが、村上さん。
いつ読んでも、ちゃんとおもしろい。
わたしは、はまのさんのイラストも大好きなので、
大満足の一冊。
さて、わたしはいくつ盾をもってるかしら?
会社にも学校にもどこにも所属してないので、
外側、カウントゼロ。
特殊な能力もなければ、努力だってしてないので、
内側、カウントゼロ。
カウントしてみて、ヒヤッとする。
そら、そーか。
でも、その現実をきちんと把握できてる。
それだけでも、よかった。
盾がいっこもないので、すーぐ傷ついちゃうな。
さっさと、盾が欲しいところだけれど、
コジマの一言が身にしみる。
わたしは、まだまだ傷ついたって仕方ないみたい。
それでも、簡単に傷ついたとしても、
あしたは明るい、明るいよ!
<P.125より>
すると妻は興味ぶかそうに、それであなたは今、
シールドを持っているの? と聞いてきます。
ああ持ってる、とコジマは答えました。
「それは何?」
「シェパードとドイツ語、そして君だ」
コジマがそう答え、その三つに共通点はある? と妻
が聞きました。ある、とコジマは答えます。
「簡単には、手に入らない」















