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2008 / 07 / 04 ( Fri )
ついひとつき前から、梔子(くちなし)のある生活を始めてる。

仕事中、近くのお花屋さんに入荷されてた梔子を
ためつすがめつ眺めれば眺めるほど連れて帰りたくなって、
それを店員のお姉さん(←顔なじみであるが名前は互いに知らないという関係。
そういう関係が、実は好ましくもあったりするがそれはまた、別の話)も知っていて、
いろいろアドバイスをくれた結果、いま、我が家には梔子がいるというわけ。

その梔子にここ2週間くらい、花が咲かないという事態が。
今が咲き時なわけで、勢いがとまってしまうのは信じられない。
毎朝、忙しいながらも水をくれながらも観察していたら、
若芽が随分食べられてる。そうか、それで咲かないのか、と合点はいくのだけれど、
さて、その主はというと見当たらない。
梔子は香りの女王と言われるほど甘やかな馨りを携えているので、
虫たちもそれに誘われてやってきちゃうということは事前にお姉さんからも聞いていた。
そうして何日か見守ってると、今度はその主のものと思われる排泄物を確認。
鉢の受け皿にそれはそれは小さな、それがいくつも。
殺虫剤という手も考えたのだけれど、それは植物自体にもよくはない。
もう少し保留だ、と思ってた矢先。

今朝の出来事である。
かじられた葉を丁寧にちぎっていたら・・・。
手にぬらりと液体が・・・。
・・・。
はー、身の毛もよだつ!
こんなとこにいらっしゃったのですね!!
といわんばかりの奥の奥の方の葉裏に緑色の主が。
ぬらりとした液体とともに、わたしのちぎった葉に後ろ半分の体がくっついてきて、
残り半分の体は枝葉に残って緑色のどろりとしたものを
ちぎれた部分から長く尾を引いてぶら下がってる。
触角というのだっけ?
主は突然の事態の変化に戸惑いながら、その触角を前々と揺らしてる。

緑色の主をみつめながら、しばし呆然となってしまう。
んー、もちろん、わたしはこの手の虫はダメである。
見るぶんなら、まだ(妥協としての意味で使うけれど)平気だ。
だけど、触れるとなると・・・。

しばらく思考停止ののち、
落ち着きをとりもどして然るべき処置について考えをめぐらす。
いつか聞いたことがある。
もともと興味がある分野(だって青虫!)ではないので、
うろ覚えだし自信がないのだけれど、
サナギになる時、その殻の内側では、一度液体になるということを思い出してた。
幼虫→サナギ→蝶々と変体する中で字のごとく体を変えるといったようなことを。

おそらく、主はサナギになる準備のまさにその初期の段階だったのだろう。
ごはんもたらふく食べて、変体に耐えうるだけの(だってわたしの記憶が正しいとしたらば、液体になるのだから!)栄養も手に入れた矢先の晴天の霹靂。

そこまで考えがいきつくと、
もう、気持ち悪さなど飛んでってしまう。
そうか、ごめん。とうなだれる。
階下にいた出勤前の母を捕まえて、報告。

「あなたねー、梔子をかわいがってるんでしょ?
だったら青虫のことまで気に掛けてられないでしょ?さっさと殺虫剤まいちゃいな!」

でも、まだ生きてる。
青虫は半分になってもまだ、触角をうごかしてたもん。
ベランダ(2階)までこの小さな体で這ってきたんだ。
甘い甘い馨りに誘われて、夢見る美味いごはんで栄養つけにきたんだろう。
そして幼虫から判断して、おそらく美しい翅を手にして羽ばたきに来た、と思う。

ほんとうはすごく苦手な生き物なのに。
なんでこんなに肩入れしてしまうのだろう。

部屋に戻ったら、もう触角は動いてなかった。
流れ出た緑色の流動化した体は風でちいさく揺れて、
下の葉につきそうでつかなかった。

大きく膨らみ始めた蕾が、
2〜3日中には、咲きそうだ。
また、しばらく花を梔子のあの馨りを楽しめそう。
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