のんきにうたかたの想いを綴ります。
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『78-ナナハチ-』 * 吉田 篤弘
78(ナナハチ) 78(ナナハチ)
吉田 篤弘 (2005/12)
小学館

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遠い昔、
冷たい理科室
誰かが三角柱のガラスを光に当てた。

それは光の屈折分散なんかを起こさせるための
道具で、
名をプリズムと言う。

プリズムは七色の光
薄暗い理科室のに撒き散らす。
幾重にも広がる、光。

重なり合った部分が、
すごく綺麗だったのを覚えてる。

この小説は、
あの時のプリズム
作り出すによく似てる。

78回転レコードを軸に
13の物語が展開されてゆく。

13の間にいくつもの人物
入れ代わり立ち代り現れては、消えてゆく
時代も違うのに、
まるで同じ人物のようでもあり、
また、実際に同じ人物のケースもある。

幾重にもが重なってゆくように、
幾重にも人物音楽交差してゆく。

想像力を楽しむ本で、
そういう本こそ、わたしは好きだ。

途中、「第三の男」の回で、
レコードに対する魅力についてかかれていたけれど、
それがものすごく秀逸だったので、書き留めておこう。

「これは本当に真面目な話。つまり当時の録音ってライヴ録音みたいなものでしょう?いまみたいに重ねたり継ぎはぎできなかったわけだから。
となると、そのときの空気もそのまま録音されているはずで、
よく演奏の背景にサーッと音が入ってるけど、
あれはノイズなんかじゃなくて空気の音です。
俺なんかむしろそっちの方に聴き惚れてしまったりして。
なにしろ四十年も五十年も前の空気の音なんだから」

-中略-

「いや、それでもうひとつ思ったのは、音ってそもそも空気の震えのことで、そうなると、
ただ単に『空気を聴く』ってだけじゃなく、空気が震えるさまを聴くというか。
それをわれわれが耳にしているとなると、このたったいまの空気が、
半世紀前とまったく同じように震えてるわけです。
つまりこれらのレコードが再現しているのは、そのときの空気の震えということになる」


ノスタルジー、そのもの。
うちにはLPしかないけれど、
45回転と33回転を
存分に今夜は楽しもうではないか。

さて、一体、何十年前の空気の震えを再現しようか。
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