のんきにうたかたの想いを綴ります。
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『さよなら、サイレント・ネイビー』 * 伊東 乾
さよなら、サイレント・ネイビー―地下鉄に乗った同級生 さよなら、サイレント・ネイビー―地下鉄に乗った同級生
伊東 乾 (2006/11)
集英社

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最近知り合った大人と、
なんとはなしに本の話になった。

その方は静岡から東京まで新幹線通勤をされてるそうで、
2時間なにしてるのですか?という問いからこの話題へ。

幾つの方なのか、定かではないけれど
少なくとも一回り以上違う人で、
それもきちんとお話をさせていただいたのはたったの1回。
だけれど、そうなっちゃうのだ。

すきな作家。
最近おもしろいと思った本。
逆に「焚書にしてやろうか」(←彼女の表現をそのまま引用)と思った本。
見事に趣向がそろったので、彼女にひとつ聞いてみた。
ここ最近の一押しは?

今年読んだ本の中で、
一番おもしろかったのは小説ではなくルポルタージュだという。
わたしが読んだことのない分野、
どうなるかしら?と手をとったらば、そういうこと?!

面白くてページをめくるのが止まらない。

この本は1995年3月20日、地下鉄でサリンがまかれた事件について追いかけている。
著者の肩書きというのは、
元刑事でも元検察でもマスコミ関係者でもなく
巻末にはこのように記載されている。
「作曲家=指揮者、東京大学助教授」

この肩書きだけだと、つながりがみえてこないのだが、
事件と著者を結びつける糸は1人の男に端を発す。

あの日、地下鉄にサリンをまいた実行犯に
豊田亨という男がいた。
彼はオウム真理教の「科学技術省」次官であり、
その以前は東京大学で物理を学んでいた。
物理学科を卒業した後、東大の院へ進み、修士を修了し
博士課程進学直後に出家したのだという。
この男。
この男と著者。

ふたりは大学の同級生であった。
実験を一緒に行うペアであり、
レポートや試験の際にノートを貸し借りする、そういう「仲」だったのだ。

そんな友達がある日突然失踪し、
3年の年月を経てこのような最悪の事件の実行犯となっていた。

そのことが著者を駆り立ててるのだ。
そもそも大学で物理を専攻していた人が音楽家になっているという経歴もおもしろいのだけれど、
それよりもこの話の行き着くところがすごい。

オウムの行っていた洗脳やマインドコントロールについて
丹念に調べ、
さらにはこのテロがなぜ、おきてしまったのかを丁寧に分析してゆく。

1995年の事件から1945年に終結した第二次世界大戦の悲惨な末路、
ひいては2005年年のライブドア事件。

すべてが同じことの繰り返しと著者は言う。

とりわけ第二次世界大戦の話はびっくりすることばかりだった。
覚醒剤、特攻(しかもこの特攻がイラクの自爆テロなんかにも関連してくるだなんて、誰が知ってるというの?)、陸軍、海軍、実行者と発案者。これらのキーワードにまつわるめくりめく話。

「あとは読んでよ」としかいえない。

サリン事件といえば、わたしは小学生だった。
なんだかすごいこと起きたのかということだけで、思考停止だった。
無理もない。小学生なんて、そんなもんだ。
隣のクラスのだれそれがあなたのことすきなんだってとか、
そういったことの方が重大事件の時代ではないか。
わたしは実行者の豊田亨という男の名前すら、今の今まで知らなかったのだから。
麻原が弱視だったことも知らなかったし
オウムの教義がヨーガに因っていたことすら知らなかった。

でも見えてきたのはそんなことではない。
マスコミは語らない加害者だけれど被害者という構図。
(教団に無理やり出家させられたということ)
豊田という男がいかに純粋で頭がよく、優れた人格者であるかということ。
(現に、見返りも何もないのに大学の同級生が自分の事件について何年も洗いなおしてくれるのだ。よほど人望がなけりゃやってもらえない)
それと、優れた人格者である者ですら、
あのような事件を実行させてしまう、マインドコントロールの恐ろしさ。

なにより、二度とこのようなことを起こしてはならないという
著者の強い訴え。

そのために、わたしたちは、彼らの声をきくのだし、
覚えておくのだし、知っておくのだ。

無駄にはしないよ。じゃなけりゃ、気がついたときには
第三次世界大戦の渦中ということになりかねないのだから。
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