のんきにうたかたの想いを綴ります。
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船でゆく!・・・8
8日目。

朝ごはんから、昨日の3人で食卓につく。
朗らかなサラリーマンは今日、竹富を発つ。
たったの2回、ごはんを囲んだだけでもう家族みたいな気分になる。
お互いのごはんをよそったり、お茶をくんだり。
おっとりしたお姉さん(福岡の人)が、サラリーマンに
何時に行くん?と、それはそれはかわいい北九州弁で訊ねる。

「まだ決めてないけど、お昼過ぎかな。」

福岡の人は少し変わった旅人で、
6連泊の予定の3日目とか。
毎年、1週間くらい同じ島の同じ宿に連泊していて、
何をするのかと聞けば、何もしないとのこと。
日差しのきつい午前中はまるまる部屋で寝て、
(たまに洗濯とかはする)
お昼過ぎにごはんを食べにでて、
また昼寝。
夕方、日が暮れる頃から活動を始めるという生活を送ってるのだとか。

その理由がこの日の最後にわかることになる。

この日も朝から、雨。
わたしはピンクの傘を借りて、島の地図を片手にお散歩。

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アイヤル浜に向かう途中、雨がすごく強くなる予感がして、
ぐるりとみまわしてみても、
集落からだいぶ離れてしまっていて、もちろんなにもない。

仕方なしに、この一頭のきれいな目をした仔牛のおうちにお邪魔することに。
最初は、「えー?なに?あんた、だれ?」の目でじろじろみてきたけど、
雨が弱くなるまでここにいさせて、とお話したら、しぶしぶオッケーをくれた。
わたしはなにもすることがないので、農具の埃をはらって、そこに座って、はなうたうたう。
向こうも慣れたのか、それとも、害なしと判断したのか、
降りしきる雨などものともせず、悠然と草をはむ。

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少し心細くなるくらい、なにもない道をただひたすら40分くらい歩くと、

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実はこの道中、残りあと少しのところで軽トラに乗った地元のおじいに
ピックアップされる。
「乗っていきなさい」って、知らない人の車に乗ってはいけないと
あれほど小学生の時に言われてたのに・・・。
おかげでなぜか、おじいと手を繋ぐ羽目に・・・。
よく考えたら、危ない、かも。

帰ってきて、部屋に少し戻って、
いざ、また出掛けようと縁側に腰掛けてサンダルを履こうとしたら、
その一瞬のすきを見計らって、にゃん次がわたしのひざにぴょこんとのっかる。
「にゃんちゃん、わたし出掛けるのよ」の問いも無視して、
彼女は毛づくろいを始める。
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ああ、もう、それならいいよ。
諦めて、縁側にごろんとなる。
にゃん次も優雅にお昼寝。
縁側で猫と昼寝・・・・。それもまた、よし。

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ほんとにうとうとしてら、庭先で名前を呼ばれる。
よたりとしながら、起き上がるとサラリーマンが帰るという。
福岡の人も出てきてて、宿のお母さんが写真を撮ってくださるというので、
にゃん次を肩にかついで、ぱちりと映る。
それから、港までお見送りに行くことに。

気をつけてね、と、見送るのだけどこの気持ちはなんだろう。
すごくやさしく心の底から、彼の無事を祈る爽やかな別れ。
旅先の別れってすごく特別な気持ちになる。

これはもう、ただの後日談でしかないのだけれど、
わたしが銀座の映画館に行くたびに彼を思い出す。
彼は銀座で働くサラリーマンなのだ。
わたしの通う映画館の通りから、彼の働く会社がみえる。
今日も朗らかに働いてるんだろか。

夕飯前にもうひと散歩と雨上がりの道を
西桟橋へ向かってとぼとぼ歩いてると前から、本を片手にバックパッカー姿の青年が。

どこ行くの?
-あっち。
西桟橋?
-そうです。
じゃ、俺も行く!

てな具合で、なんだか知らずに道連れが。
広島から来てるということ、
年下と思ってたら年上だということ、
でも大学生だということ、
来年から医者になるということを話してくれて、2人で桟橋をぶらぶらしてたら、
黒いレースの日傘をくるくるまわしながら見覚えのある人が歩いてくる。

あ、あ、福岡の人!

3人で晩御飯の時間まで他愛もないこと、しゃべる。
地元の人が犬を散歩に連れてきてて、
犬と一緒にみんなでバイバイをする。

また、夜にでも、会おう!なんて約束して。
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晩御飯の間、
急速に晴れてきたのがわかって、
竹富最後の夜に、ついに夕日とご対面できるチャンスが!
急いでごはんを片付けて、西桟橋まで再び。
走らないと間に合わないけど、
でも、どうしてもビールは持っていかねばと
自販機でわたわたとオリオンビールを買ってたら、
宿泊中の人(北海道で教師をしたのち、いまや隠居。桜前線とともに北上するゆるり旅の人)が、
「そうですか、みなさま、落日を楽しまれるわけですか」と、
洒脱におっしゃられる。
夕日を「落日」だなんて素敵な言い回しで表現することを
現実世界の人の口から初めて聞いて、
なんだかかっこよすぎて、なんども「らくじつ」「らくじつ」と繰り返し声に出しながら、走る。

久しぶりに全力疾走。
みんなをおいて、ひとりでぐんぐん走る。
なんだー、わたし、案外、足はやいのかも!と勘違いしながら。
途中、ありとあらゆる宿からみんな一斉に西桟橋めがけて走り出してて、
マラソン大会みたいになってた。

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海にたどり着いて、
缶ビールをぷしゅっと空けたら、
隣に居た見知らぬお姉さんが目を見張って、
「はー、あたし、慌てて思いつかなかった。だけど、あなた、間違いないわ!天才!!」
と、褒めてくれるから、
誇らしげに、走って少し泡がこぼれたビールをすすりながら、ありがとう、いただきます!
と、ごくごく。

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「落日」という言葉、そのものの夕日。
目を離したら見逃してしまうんじゃないか、と思うくらい、
すとんと落ちてゆく。海に、隠れてしまった。
海を下に下に、地球の反対側を目指して。
わたしがここで感傷に浸ってる向こう側で、誰かの朝が始まる。
その為に太陽は、行ってしまったのだった。

福岡の人が沈みきったあと、のんびりとやってくる。
間に合わなかったね、というと彼女はにやりと笑って、
これからがいい時間と言うのだった。

あんなにたくさんいた人たちも、
夕日が沈んでしまったら、三々五々散ってしまい残るは夜を良しとする者ばかり。
向こうに見える島は石垣かな?などとテキトーなことを言ってたら、
隣で腕組みをした、髭の青年が「あれ、小浜ですよー」とやさしく島の位置を訂正してくれた。
この青年も夜とひとりを楽しむ人らしく、
浜沿いをひとり、遠く遠くに歩いて行ってしまった。


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ぽっかりと、月まで浮かぶ。
波の音。

シャワーを浴びに宿に帰り、
再び、夜を!
福岡の人が、夜の海がいいというので行きたいのだけれど、
1人じゃ絶対に危ないというので、女ふたりで行くことに。
西桟橋に向かう途中、彼女が告白する。
今まで夜の海、何度か来たけど女の子と来るのはじめて。
でも、あなたなら怖くないと思ったんだー。強そうだし。

と、言ってもらってる傍から、わたしは怖いのだった。
暗いところが、まったくもってダメで、それを福岡の人に告げると、
ゲラゲラ笑う。そんな風には見えなーい!って。

桟橋に寝転んで、星を眺める。
何度も何度も流れ星が落ちてきて、
こんなにもしあわせな時間が世界に等しく在るものと同じとは思えなくて、たじろぐ。

そしたら、夕方の広島のバックパッカーが来た。
彼もごろんと横になって、3人で夜に溶ける。

いつまでそうしてたのか。
たぶん、日付が変わってもそうしたまんま。
夜の島は昼の観光のテーマパークの顔とは一変、
はじめて本当の島の時間が流れてるな、と感じた。
福岡の人の提案でなごみの塔に。
昼間は、全然登る気がしなくて、通りすぎてばかりいたのに。

なごみの塔はおそろしく、高く、眼下はミニチュアの迷路みたいだった。
そして、上へと目を向けると、もう、星が手に届きそう。
夜と手を繋いでるみたいな気分になる。

福岡の人が、
ね、竹富は夜に限るのよ。と教えてくれる。
この人の会えてよかったなと思う。巡り会わせだ。
この人に案内してもらわなかったら、わたし、この島のことすきになれないまま帰るとこだった。

長い、長い1日が終わる。
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この記事へのコメント
437. 相澤   URL  2008/06/26 22:26 [ 編集 ]
竹富行きた~い!!!

いいないいな、
西桟橋でオリオンビール

うちはビール飲めないから
さんぴん茶だけどね

竹富の夜は最高だよね
438. 海音   URL  2008/06/26 22:42 [ 編集 ]
お久しぶりなのです。
とは言っても、まりえさんのアメブロ時代に、いつも拝見していて、ほんの2~3回、こうしてコメントを送らせてもらった程度なのですが。
今日、なんだか有意義な休日だったので、ほったらかしにしておいた自分のブログの手直しをしていたら、ひょんなことから、ココにたどり着きました。
以前、とても、好きでした。
そして、再開(再見?)してみると、あの感じに再びふれることができました。
まりえさんの言葉、文章が、とても、好きです。
また、ちょくちょく拝見させてもらおう、と思います。
竹富、波照間、行かれたのですね。
僕も数年前にALL船旅一人旅で。
波照間は病み付きになり、その後にも。
そんな縁もあってか、石垣出身の女性と結婚しました。
実家帰省は八重山旅行という、ちょっと嬉しい身になりました。
439. まりえ   URL  2008/06/27 23:00 [ 編集 ]
*相澤さん
沖縄、もう3ヶ月も前のことだけど。
いまでもはっきり思い出せます。
竹富、すごくよかったです!
相澤さんの沖縄日記もいつも羨ましくみてたところだったので、今回はわたしが☆
そしてまた、何度も言わせて!
婚約おめでとー!

*海音さん
ご無沙汰しております。
お名前が変わってらっしゃったので、気がつかなかったのですが、ブログに飛んだらすぐ記憶がよみがえってまいりました。
ええ、ちゃんと覚えてますよ。
たしか、ヘドウィグやら、映画の話で何度かお話させていただきました。

それが、また、遊びにいらしていただけるだなんて!
本当に嬉しく思います。
なんとなくだらだらしたものをつづけて書いてるわけですけれど、こうして思い出してもらえて、それも好きでいてくれるとは!!

海音さんの沖縄の写真、いいなーと思っていたら、そうですか、奥様(いつかのグリーンのワンピースの方でしょうか?)のご実家!!
旅に出る理由が、いらないくらいですね。

船旅、すごく気に入ってます。
余裕があれば、また船旅したいです。
波照間にも、また。

いろいろ書き連ねてしまいましたが、
また、遊びにきてください。
沖縄の旅日記、まだ、少し続きます。
更新の間隔が空いてしまうかも、しれませんが・・・。
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プロフィール

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Author:まりえ
日々、のんきに暮らしてます。

季節が少しずつ
移ろいでゆくように
わたしも
少しずつ
移ろいでゆこうと思います。

おたよりはコチラへどうぞ。

そして、引越し前(アメブロ)の記事は


コチラ。

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