のんきにうたかたの想いを綴ります。
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『アビシニアン』 * 古川 日出男
アビシニアン アビシニアン
古川 日出男 (2000/06)
幻冬舎

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パレットに群青色の絵の具を落とす。
筆にはめいっぱいの水をしたためて、
群青色を限りなく透明に仕立て上げる。

この小説の文章から
イメージさせられる映像にはすべて、
すべてにこの水浸しの群青色のフィルムで覆われていた。
そういうふうに
風景を、人物を、空間を見せてくれた。

そういう小説を前にも読んだことがある。
村上春樹の小説だ。
この色は。

文体が似ているとか、テーマが似ているとか
そういうことを言っているわけではない。

文章を読んで、
その文字が表現することを自分の頭で具現化したとき、
映像すべてに青がつきまとう。
そういう物語は今まで村上春樹の小説特有のものでしかなかった。

それがこの『アビシニアン』にもあったのだ。
この物語はわたしが今まで読んだ古川作品とはカラーが違う。
舞台が現代であり、
登場人物もまた現代を生きる大学生の男
若い女であるというところ。

恋愛小説とはカテゴライズできないし、
かといってと聞かれたらわからない。
わからないが、
圧倒的に芸術的な小説だった。

クリエイターにとって、
誰かに似ているといわれるのは絶対に嫌なことだと承知しているが、
それでもあの映像の青色は村上春樹のそれとリンクする。

そのことを友人に話したら、
偶然ではない答えをもらえた。

「いつかの村上春樹の小説をリミックスした企画、
あれ、古川日出男発信らしいよ。」


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この記事へのコメント
10. ちゃまー   URL  2006/06/07 22:49 [ 編集 ]
吉川日出男の作品を読んだ事ないんだけど、村上春樹は一番好きな作家さん。まりえさんの解説を読んで、吉川さんの作品も手に取って見たくなりました。水浸しの群青色のフィルム、言い当て妙だなぁ。
12. まりえ   URL  2006/06/08 09:39 [ 編集 ]
古川さんの作品は、すごくどれも色を変えてあっておもしろいですよ。
ここ最近の作家の中では、一番のお気に入りです。
すべてにこの群青色が見えるわけではなくって、
この『アビシニアン』という小説だけ、そういう色が見えてきたんです。
なんの根拠もなくって、わたしの独断でしかないわけだけれども、
そういう人それぞれの解釈ができるっていうのが、
小説の醍醐味だとおもってます!
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